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JIPC加盟各社 紹介 第10回 株式会社ちょびリッチ

普段利用しているポイントサイトをどんな企業が運営しているのか、気になったことはありませんか? 会社概要や沿革を読むだけでは分からないことも多いはず。そこで、JIPCに加盟している企業を順次訪問、ポイントサービス事業を統括する責任者にスポットを当てながら、他社にない取り組みや強み、社風など、企業の素顔の一端を照らし出してみました。

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地下鉄丸ノ内線東高円寺駅に近接する商業ビルの2階。ここに社員30名ながら、累計約300万人の会員数を誇る少数精鋭企業「株式会社ちょびリッチ」はあります。JIPCにも最初期から参加する最古参のメンバーですが、近年は20代前半の社員を中心に自由な発想と、ユーザーファーストの理念の下、ユニークなプロモーションを次々に打ち出しています。その中心にいるのが、28歳の若さにしてマーケティング部・部長を務める高祖 直路さん。強みと課題、そして将来の展望について話を聞きました。

<ちょびリッチが提供するポイントサイト>

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ガチャや無料ゲームへの参加、無料アプリのダウンロード、ショッピングをしたりするだけでポイントが貯まるポイントサイト。ポイント還元率は業界最高水準。

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【高祖 直路さんプロフィール】

株式会社 ちょびリッチ

メディア事業本部

マーケティング部 部長

高祖 直路さん

1989年兵庫県生まれ。2011年 立命館大学の経済学部卒。同年、政府系ベンチャーキャピタルに入社。3年半ほど勤務した後、大手インターネット広告会社に転職。そこをほどなく辞した後、2015年1月 株式会社ちょびリッチ入社。翌年 プロモーションチームを立ち上げチームリーダーに就任。さらにその翌年、プロモーションチームがマーケティング部に昇格したのに伴い、部長に就任。入社後から一貫してプロモーション関連の事業に従事する。趣味はサッカー。

【企業概要】

株式会社 ちょびリッチ

2004年8月設立

資本金:6570万円

代表取締役:齋藤利春

累計会員数:約300万人

事業内容:①インターネットメディア「ちょびリッチ」の運営

②Webサイト構築の総合コンサルティング、製作、管理

③広告代理事業

ポイントサイトちょびリッチ

http://www.chobirich.com/

――「株式会社ちょびリッチ」に入社する前の、高祖さんの経歴に興味を惹かれました。政府系ベンチャーキャピタルから大手インターネット広告会社に転職

――固い会社からずいぶん柔らかい会社に転職されたんですね(笑)。

高祖 学生時代から、いつかは自分で事業を起こしたいと思っていまして。そのために経験を積む、というと口幅ったい物言いになりますけれど、まずはお金まわりのことを含めて企業を外側から見たいと思い、ベンチャーキャピタルに入社しました。そこで3年半ほど勤めた後、次は企業を内側から見ようと思い、大手インターネット広告会社に転職したのですが、規模の大きな会社だったが故に仕事のオペレーションがカッチリ決まりすぎていて、経験が積めるような環境ではないなとすぐに分かりました。そこで当時から縁のあった「ちょびリッチ」に転職、現在に至るという経緯です。今はかなり好き勝手にやらせてもらっています(笑)

――入社されてからは一貫してプロモーション関連の業務に専念されてきたとのことですが、とりわけどのようなことに注力されてきたのでしょう?

高祖 ユーザーにとって価値あるものをクリエイトすること――これに尽きますね。メディアを運営している以上、来てくださるユーザーには良い案件、良いキャンペーン、そしてサイトの使いやすさなど価値あるものを作り続けることにずっと力を注いできました。

――ユーザーファースト、ということですね。現在はマーケティング部の部長というお立場ですが、部下を率いる立場になってから、ユーザーファーストの視点で具体的に取り組まれたことはありますか?

高祖 意識改革と体制の統合です。以前は領域ごとにチーム制を敷いていたため、会員獲得はマーケティングチーム、案件についてはアフィリエイトチーム、ポイント交換は運営チームと、それぞれの領域を各々のチームが担当していました。分業の良さもあるにはありますが、それ以上にこの体制は、自分のチームの業績向上だけが目的化しがちになるんです。

――注力の対象が自分のチームだけに向けば、他のチームには関心が向かなくなりますね。

高祖 もっと言えば、ユーザーファーストの視点が決定的に欠けてしまう。これでは業績が頭打ちになることは火を見るより明らかです。そこで、私たちが目指すべきは、“ユーザーを第一に考えること”でしかありえない。このように意識改革を行い、体制自体を大きく変えました。まず各チームをマーケティング部とCS推進部の2部署に統合しました。そして新規会員の獲得から案件の利用、企画への参加、ポイント交換に至るまでの流れ、これはマーケティング部が一気通貫で担当するようにしたわけです。

――「One 2 One」的な取り組みに変えたわけですね。

高祖 会員一人一人の流れを、ひとつのチームがトータルで追うようになったことで、もう少しここをこうすればお得になりますよ、というようなキメ細かなアドバイスをユーザー様に届けられるようになりました。もちろん、ポイントサイトは広告主様から予算をいただいて始めて成り立つビジネスです。そのことから以前はクライアント・ニーズを満たすことを中心に考えていた時期もありました。今はユーザー第一のスタンスに基づいて、クライアント様にも「ユーザー様のためにこういう案件が必要です」とか「ユーザー様のためにもう少し案件の単価を上げていただけませんか」といった要望を出させていただくことがあります。なぜなら、結果的にユーザー第一で取り組むことが、クライアント様のニーズを満たすことにもなると考えているからです。

――今の理念を踏まえた上でのお話しになるかと思いますが、同業他社にはない「ちょびリッチ」ならではの強みとは何でしょう?

高祖 少し抽象的な言い方になりますが、社員一人一人に“ユーザーの皆様を楽しませたい”と願うメンタリティがあることかなと思っています。弊社は組織の規模がさほど大きくないので、社員の皆が自由に発想でき、またそれを形にしていこうとする環境があります。そうした環境が“ユーザーを楽しませたい”とするメンタリティを社員一人一人に醸成しているのではないかと考えています。

――少数精鋭であるがゆえに同じ思い、同じメンタリティを共有できるわけですね。

高祖 加えて、社員が皆揃って“若い”ことも自由な発想を生み出す土壌になっているのかなと思っています。私が今28歳なのですが、部下は僕より年下か社歴が2年以内のメンバーです。既成概念にとらわれることなく、“使いやすくするためにはこうした方が良い”という素直な提案をしてくれる。普通の感覚を持っているんですね。

――仕事にバイアスがかからない。一般ユーザーにより近い発想から提言がなさるということですね。

高祖 同業他社さんがこのやり方で成功しているから、うちも真似しようではなく、ネットを利用するんだったら、単純にこのやり方の方が面白くない? と素人目線から見てくれる。ゼロベース発想というか、良い意味で同業他社の動きを見ていないんですね。外部からは見えない部分かもしれませんが、そこは弊社の強みかなと思っています。

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メディア事業本部マーケティング部 部長である高祖さん。自由な発想から新しい提案が生まれる「ちょびリッチ」の特徴ついて、話してくださいました。

――では、そんな同業他社の集まりであるJIPCについて、加盟されたことで得られたメリットがあるとすれば、それはどのようなことでしょう?

高祖 二つあって、ひとつはユーザー様に対して安心感を与えられることです。これは加盟されている他の企業さんもそうでしょうが、ブログでポイントサイトをとりあげているアフィリエイターさんが弊社を紹介するときに、“JIPC加盟だから安心”とひと言添えてくれるんですね。いわゆる“プライバシーマーク”と同じような機能を果たしている。もうひとつは運営者の立場から、同業他社の方たちとお会いして、交流が持てることです。普通なら競合相手という垣根が両社を隔てるはずですが、JIPCが垣根の高さを限りなく低くしてくれます。しかも、単なる情報交換にとどまらず、一緒に何かやりましょうと話が発展していくこともしばしばです。世の中にいろいろな業界団体があると思いますが、おそらくかなり仲の良い方ではないかと感じています。

――確かに、他社さんからもそういう話しをよく聞きます。さて、そんな御社ですが、社風をひと言で表すとしたらどのような表現になるでしょう?

高祖 これは、やはり“自由な社風”になるでしょう。私自身、サラリーマンとして働いているという感覚が希薄なぐらい(笑)自由さを感じています。もちろん、人事制度があるので、担当もあれば目標もあります。しかし、目標達成のための手段や過程について、細かく指示されることはありません。完全に任されているんですね。逆に言えば、自ら考え自ら行動していかなければ、目標の達成どころか、何も始まらないということです。

――指示待ちの姿勢では仕事にならないわけですね。手段について問われないとのことですが、結果についてはどうでしょう? さすがに厳しく問われるのではないですか?

高祖 確かに厳しく言うこともありますが、数字などあくまで具体的なことについてであって、発想自体を否定することは決してありません。発想に基づく行動についても否定しません。最も苦言を呈するのは、せっかく発想したのに、行動しなかったときです。

――確かに厳しいですね。

高祖 新卒の社員は苦労していると思います。実務のことは一応、教えていますが、何が大事で何をすべきかは自分で考えるというのが基本ですから。それをしていかないと、この会社では結果を出せない。その自由さが肌に合う社員は、仕事が楽しいと感じていると思います。しかし、指示待ちでないと仕事ができない社員は苦労すると思いますよ。

――なるほど。そんな高祖さんは現在、部長として部下の方々を率いているわけですが、彼らからどのような人物に見られていると思いますか?

高祖 おそらく、自由に好き勝手にいろいろやっているヤツだと思われているんじゃないでしょうか(笑)。その反面、自分としては目標・目的に対して、ブレずに一貫して物事を進めているつもりです。たとえば、ユーザーメリットが最優先と決めたからには、それに反することはしない。もし、それに反することをしているメンバーがいたら、遠慮なく苦言を呈します。そういうブレのなさは、きっと周囲にも伝わっていると思うし、周りもそう見てくれているんじゃないかと思います。

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社内にはこんなユニークな打ち合わせスペースも! また会社の入り口には、「ちょびリッチ」キャラクターである巨大な“ちょびん”くんが飾られています。

――では、ご自身としては自分のパーソナルをどう分析されていますか?

高祖 難しいですね。ひとつ言えるのは、なるべく客観的な視点を持っていたいということです。自分は年齢的にもまだまだ経験が浅いですし、会社の規模も小さい。しかし、限られたリソースでもアイデア次第で勝負することはできる。自分や自分の会社の立ち位置を客観的に見極めた上で、目的遂行のために何ができるかを、常に柔軟に考えています。

――冷静さと柔軟さを併せ持っているわけですね。では、ここからは少しプライベートのことについて、お聞かせください。現在、プライベートで最も時間を費やしていることは何ですか?

高祖 サッカーですかね。子供の頃から学生時代を通じて、ずっとサッカーをやってきて、今も定期的にフットサルをしています。ちゃんとチームを組んでいるわけではないので、部活動というほどではないんですが、他社の方に呼ばれたりした時に参加させてもらったりしています。

――リフレッシュできそうですね。

高祖 仕事の時はいつもPCの前に座って、ずっと画面を見つめている状態なので、サッカーをすると何というか、普段とは違う分泌液が出ている感じがします(笑)。それによく言われることですが、ずっと考え込んでいる時よりも、運動したり単純作業していたりする時の方が、良いアイデアは浮かぶことが多いですね。

――なるほど。カルチャー方面のご興味はいかがですか? 最近、読まれて興味を惹かれた本とかはありましたか?

高祖 水野敬也という人の『ウケる技術』は面白かったですね。いわゆるコミュニケーション関連のビジネス書に分類されるのだと思いますが、対人折衝を上手く進めるために積極的に“笑い”を用いるという内容で、笑いをフックにすれば逆風状態でも相手の懐に飛び込める可能性がある、というようなことを分析していて、とても興味を惹かれました。

――話を聞いているだけで興味を惹かれますね。

高祖 自分自身、大阪でベンチャーキャピタルに勤務していた時に似たような手法を使っていたことがあります。ベンチャーキャピタルの営業って、だいたいオーナー企業の代表が相手なんですね。アポを取ること自体が大変で、会ってくれてもなかなか話を聞いてくれない。そんな時、話を聞いてもらうフックとして、笑いを武器にしていました。特に大阪という土地柄もありましたから(笑)

――大阪だと笑いのハードルもなかなか高そうですが、高祖さんはすでに実践されていたわけですね。ちなみに、座右の銘はお持ちですか?

高祖 先ほども触れましたが、大事にしているのは「自分の頭で考え、自ら行動すること」です。とにかく、自らやってみないと納得できない人間なので。人の言うことを鵜呑みにできない性分なんですね。まあ、座右の銘と呼べるほどカッコ良いものではありませんけど。

――では、再び仕事の話に戻ります。仕事の面で、現在抱えている課題と将来の展望は何でしょう?

高祖 課題に関しては、広くいえば人材ですね。先ほど、自由な発想や素人目線が弊社の強みと申し上げましたが、確かにポジティブな理由には違いないのですが、その反面、キャリアのある人が少なすぎるのも事実なんですね。それぞれが責任を持って自由に動くのは良いことなのですが、組織力という視点から見ると、かなり足りていない。実際、オペレーションで解決できることもあるし、会社組織なので効率性や仕組みも大切にしなければいけない。自由な要素は残しつつ、人材を底上げしていくこと。これが当面の課題ですね。

――将来の展望についてはいかがですか?

高祖 ポイントサイトとして、ユーザーの皆様に価値あるモノを提供し続けたいという思いは当然あるんですが、一方でポイントサイトという仕組みにあまりこだわらなくても良いだろうという思いもあります。世の中のネットユーザー全体に対して、ゆくゆくは、ひとつのメディア事業として大きく広げていきたいですね。今は「B2B2C」のビジネスですが、それが「B2C」になっても良いだろうと思っています。

――広告事業にこだわらず、良いモノを提供していこうという姿勢ですね。では、最後に高祖さんは5年後、10年後にどんな人物になっていたいと思いますか?

高祖 そうですね。願っているのは、自分の頭で考えたことを今以上に強く、形にできる人間になっていること、でしょうか。今もやるにはやってはいますが、周囲の助けを借りながら紆余曲折を経て何とか形にしている状況なので、5年先は自力でもっといろいろできるようになっていたいですね。

――今後の展開を楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。